2018年05月18日
橋梁の点検で聞いた話
橋梁と人との関係
これは私の友人から聞いた話です。友人は私と仕事仲間であり、橋梁の点検業務を主に生業にしている技術者です。ある時、友人が鋼箱桁橋という形式の橋梁を点検していた時のこと。ちなみにこの鋼箱桁橋は、比較的長い距離を飛び越える際に採用される形式で、路面を鋼材で作った中を空洞にした箱型の桁で支える構造です。外観、そして箱桁の内部に入って、損傷がないか調査を行います。
友人が狭い開口部から箱桁の中に入った時、何と人のご遺体を発見したとのこと。即座に警察に連絡を取り、現場検証が始まったそうです。調査・点検どころではないですよね。どうもホームレスの方が桁の中に入って、生活していたのかどうか。いずれにしてもひっそりと息を引き取られたということのようです。過去2回ほど、このようなことがあったとのこと。
橋はもちろん、物流と人の往来を確保するものです。私たちの生活を支える重要な施設ですが、長い寿命故、風景に溶け込み、私達の生活にとって、あって当然な施設となります。それぞれの歴史を持って、私たちの営みと非常に近いところに居てくれている気がします。