2018年05月18日

橋梁の点検で見たもの

橋に残った傷跡

インフラ設備と上手に付き合うには、当該設備の状況を把握することが重要で、まずはここから始まります。私が見聞きした点検調査での出来事を少しお話します。

静岡県のH市にある橋梁を複数、点検したときのことです。

点検対象には、かなり古い橋梁が多く含まれていました。そのいくつかの橋梁の竣工年次は戦前(第二次世界大戦)にあたる。古い橋をよく使い続けてきたな、と感心しきりでしたが、橋の側面(高欄を支える地覆部コンクリート部)に見たことのない、比較的大きな穴が複数穿ってあるのが見られました。原因は何かと考えるも、よく分からない。ところが、一緒に調査を行っていた地元の若い技術者が、「もしかしたら、戦時中の米軍戦闘機の機銃掃射の跡かもしれない。」と言います。調べてみたのですが、確かに当該地にある橋梁群に対し、激しい機銃掃射による攻撃があったという記録があります。断定はできませんが、どうもその可能性が高い。もしそうだとすれば、コンクリートに深く、大きな窪みをつけた機銃の威力は相当なものです。狙われた(地元の)方のことを考えずにはいられませんでした。

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