2018年05月16日

現道の状況

ブルンジでの道路工事(その1)・現道の状況

プロジェクトの内容

長い紛争を終結させたブルンジにおいて、紛争の影響を色濃く残す地域の住民を対象として生活改善に向けた各種プロジェクトを実施しました(平成24年)。中心は、地域住民の教育を含め、農業施設や米の栽培、地域産品の品質の向上及び販売ルートの確立で、地域住民の自立を後押ししようとするプロジェクトです。

補修工事前の道路の状況

私が担当したのは、住民からの強い要望で加えられた唯一土木的事業である県道の補修工事でした。いくつかのコミュニティを結び、他に代替え道路を持たない地域にとっては、この道路は生命線でした。当時、当該道路は、非常に荒れ果てた状態で深さ1mに及ぶ亀裂もざら。車で走れば同乗者は車内で飛び跳ね、頭を天井にしたたかに打ち付けるといった状況で、とても道路と呼べるものではありませんでした。この地域は山岳地帯と言って良く、大きな起伏が連続しています。道路は、もともとラテライトという熱帯に広く分布する赤色の砂利を道路表面に盛って構築したものだったのですが、長く保守作業を受けずにいたようでした。

現地を訪れ実際に踏査してみますと、我々が珍しいのでしょう現地の人たちが長い列を作ってついてきて、我々の作業を興味津津で見ています。付近の住民は非常に“擦れていない“というか純粋でした。

工事は入札により現地の有力な建設会社(“G社”と呼びます)に任せることになりました。無償援助プロジェクトだけに世界最貧国の一つであるブルンジにある建設会社と契約しなくてはなりません。入札前にブルンジで有力な会社をいくつか訪問し状況を確認したのですが、とても十分な施工できるようには感じられない。敷地に置かれている(放置されている?) 施工用機器は、さび付き、変形しています。最近疲れわれた形跡もない。そして敷地内は掃除もされておらず、非常に汚い。それに比べ、G社はフランスの大手企業(“F社”と呼びます)の傘下にあるということからか、機器・機材も非常に整っており、敷地内も整理整頓がなされていました。アフリカに来て最も良さそうに見えた企業でした。入札条件を厳しいものにして、祈る気持ちで開札したのを覚えています。結果は、タッチの差でG社の落札でした。

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