2018年05月16日

現地の人々

ブルンジという国そして人々(その1)

内戦で大きく破壊された地域の住民の生活改善を目的とした無償援助プロジェクトに参加し、ブルンジ共和国に渡った時のことです。

プロジェクトの内容

私達、日本人技術者は7~8人でチームを構成し、比較的大きな民家を借りあげて同居し、現地のスタッフを複数雇用し、プロジェクトを進めました。

農業指導を中心とするプロジェクトでしたが、実施される地域のいくつかの集落には、一本の道路しかなく、この道路が約20㎞にわたって酷く荒れて、ほぼ通行不能状態となっていました。困った現地の人達の強い要望で、道路補修事業が追加され、私は、この道路補修事業を担当することになったのです。

現地の人達

私達は通訳、技術者、それに車の運転手、料理人及び洗濯やら雑務をこなしてくれる女性を現地人から雇用したのですが、スタッフの中にはフツ、ツチ族もいました。しかし彼らは民族を意識する風もありません。そして皆、勤勉、真面目で温和です。

このスタッフの中、小柄で目の“ぎょろっと”した料理人は、ちょっと違っていました。料理の腕は、まずまずながら隙さえあれば、私たちが買い置きした食料を、ちょろまかす油断ならない人物で、現地スタッフにも嫌われていました。ある時、私ともう一人(たまたま宿舎には二人だけしかいませんでした)が買い物に行くことができず、店の閉まった祝祭日を絶食でやり過ごした翌日、かの料理人がやってきました。我々の窮状を知って、鷹揚な態度で、うなづくと、親切にも彼のカバンから何かを取りだします。私たちは彼を救世主のように見ていました。出されたものは、菓子パンのようなものでしたが、それは私たちが買ったパンで、ちょっと前に無くなっていたものでした。私が驚いたのは、彼の顔が人助けをしたといった満足気な表情であったことです。

会議中、皆、緊張しています。
 
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